ハーレーには色々な場所で色々なガスケットを使用しています。
また社外品を見渡してみると、さまざまなメーカーがガスケット(以後G/Kにします)を販売しています。でも、よくカタログをみてみるとsiliconeとかteflonとかメタルとか使う場所が一緒でも種類が沢山あるのが分かると思います。
ここでは個人的な使い勝手と好き嫌いをベースにして(笑)各メーカーやG/Kの特徴を書きなぐってみます。一参考意見程度にみてください。
使い所とその仕事
いまさらG/Kの仕事なんて…と思いますが、一応書いてみます。G/Kの仕事は「使用している機械から余計なものが出入りしないようにするもの」って感じでしょうか?「余計」なものとは、オイルだったり水だったり圧縮だったりします。
材質はやっぱり紙(厳密にはただの紙ではないですが)がメインです。薄いのから厚いのまで様々です。主に(いや、すべてか?)部品と部品の間に入れて使用するのはよく分かるとおもいます。
ただ、G/Kの仕事はあくまでも補助だと思ってください。G/Kがいい仕事をするためには
挟まれる部品の面と面があっていることが条件になります。
実際に日本車のエンジンなどにはG/Kを使わないで組むケースもあります。これは「補助として紙を挟まなくてもいい」とゆうことです。がっちりと精度のでている合わせ面にはG/Kがなくてもオイルが漏れてこないのです。
このような仕様はとっても精度のいる部分に使います。
G/Kといっても所詮は紙やらなんやらの潰れる素材でできていますから、潰れる=機械の組み込み精度がずれるとゆうことになります。もちろんハーレーもG/Kを使わないところがあります。クランクケースのあわせ部分には該当するG/Kはありません(XRのヘッドにもなかったりします。他にもちらちらと使っていない部分もあったり…)。
要はG/Kとはあくまでも補助なのです。オイル漏れの修理で大事なのはG/Kを変えるのと同時に部品と部品の面があっているか、ここがとても大事になってきます。
ざっとですが、こんな感じの仕事をしています。
ガスケットの種類
まずは写真@です(写真のセンスが無いのは許してください)。両方とカムカバーのG/Kです。左側が69年までの直流発電ビックツイン、右が70年からのものです。
左側のG/Kはもっともスタンダードな「ただの紙」っぽいやつです。通常はこのようなものを使用しています。
右側の70年UPのG/Kに赤い線が入っているいのがわかるでしょうか?これがCCIのカタログなどに載っている、silicone beadedと注釈の入っているものです。
写真はたまたまカムカバーですが、カタログ内にsilicone beadedの文字が入っているG/Kはみんなこのタイプです(CCIの場合です)。このG/Kの特徴はカタログ表記そのまんまで、赤い部分が多少盛り上がるように、ゴム状の赤いシリコンが盛ってありあます。これによって紙のみの場合よりシール機能を高めています。
実際の使い心地は「無いよりいいかな?」ぐらいですが、安心感が高いので是非使ってみてください。
続いて写真A (写真のセンスが…略)のG/Kがメタルガスケットです。写真の物はJIMS製のナックルシリンダーベース用です。このG/Kは、紙の代わりにベース素材を金属として、その上にシリコンなどをコーティングしてあります。触った感じはそのまんま薄い金属の板みたいです。
このメタルG/K、じつは結構曲者だったります。最初にみつけた時は「おお!新素材!いい仕事をするにきまっている!」と飛びつきましたが結果は散々なものでした…。
使った場所は49年のパンのシリンダーベース(オイルラインがちと複雑)だったのですが、組んだ瞬間にオイルがだくだくと漏れてきたのです。
では、なぜ漏れたのか?
答えは簡単、上記にもあるように「部品と部品の面があっていないから」です。
紙はその性質上よく潰れます。そのおかげで部品を組み終わり、ちょっと試乗した後にまし締めが必要なぐらい(G/Kが潰れる→G/Kが潰れた分だけ部品と部品が近づく→ネジが緩む)潰れてくれます。逆にこの潰れがあるからこそ、面があまり出ていない部分に使用するとそのでこぼこに沿って潰れてくれるので、シール能力が得られるのです。
つまりG/Kは潰れてナンボってことですね。
なら、メタルはどうか?
金属でできている以上、紙より硬いのは当たり前です。ですから紙より潰れません。その結果、ひずみが大きいような場所では紙よりシール能力が落ちてしまうのです。
古いバイクの場合、往々にしてG/Kのあたり面が歪んでいます。本来ならこの歪みを修正して初めて修理となりますが、これがなかなか大変(費用的にも)なのです。
今回のシリンダーベースとなると完全に修正するには、エンジンをばらばらにしないとできません。それだと予算的にも時間的にも苦しくなりますよね?
ですから、今回は紙に戻してとりあえずは事なきことを得ました。
ではメタルG/Kのメリットはなんでしょうか?
さきほど紙は潰れると書きましたが、この潰れるってものも意外と曲者なのです。
部品同士の取り付けは、ネジで取り付けられているケースがほとんどですが、このネジ部分は大きな(ネジがない場所に比べれば)力がかかっています。そのためにネジ近辺のG/Kは他の部分に比べると潰れてしまいます。潰れると隙間ができますが、それを補うように今度は部品そのものが変形してきてしまうのです。つまり、部品が歪んできます。
そこでメタルG/Kの出番となるわけです。
比較的新しいEVOエンジンで腰上のG/Kをすべてメタル製にしてみましたが、オイル漏れは起きませんでした。ついでにネジの緩みもありません。
つまり合わせ面の精度が高い場合は、部品の耐久性を考えるとメタルのほうが有利ってことになります。
なんでもそうですが、使用場所に適したものがあります。G/Kもその種類によって適切に選ぶべきとゆうことなのかもしれません。
ヘッドガスケット
まずは写真Bです(写真のセn…)。すべてヘッドG/Kです。左からCCI製のPAN用、ナックル用のテフロン、同じくナックル用の銅製、一番右側がJIMS製のショベル用「ファイアーリング」です。
エンジンの中のでもヘッドG/Kは特別です。他の部分のG/Kが主にオイルを止める仕事をしているのに対して、ヘッドG/Kはオイル+圧縮を漏れないようにしています。
この圧縮は相当強烈な力があります。プラグを取って指でプラグホールを押さえながら、アクセルを全開にしてクランキングをしてみるとよく分かると思います。
指が押し出されるくらいの力です。この圧力を止めるためにヘッドG/Kは他のG/Kに比べるととっても強くなっています。
次に、各G/Kの説明です。細かい構造や特徴は省いて、実際に使った感じを説明したいと思います。あくまでも私の主観です。
まず、写真の1番左の真っ黒いやつです。触った感触は表面に細かい粉が付いているような不思議な感じです。厚みもそんなになくて、なかなか硬いです。値段も他のG/Kに比べると多少安いです。
このG/K、ショベルやパンなんかに組むと耐久性がいまいちです。すぐに圧縮抜けをおこすようなのです。EVOエンジンにはまったく問題ないのですが、旧車には使わないほうがいいかもしれません。
次の青い奴はカタログ上でテフロンと表示されているものです。値段はちょっと高めになります。おもにショベル以前のエンジン用として販売されています。販売メーカーもCCIからJIMSまで色々なメーカーからでています。
特にこだわりが無い場合はこのG/Kの使用をお勧めします。値段、耐久性、オイルに関してトータルでお勧めです。
CCI製と比べるとJIMSのものは若干厚いです。厚みがると安心感がありますが、ヘッドG/Kの場合厚みがあると圧縮が下がりますので、注意が必要です。
次の(右から2番目ですね)G/Kはナックル用の銅製のものです。上記にあるようにヘッドG/Kは圧縮と同時にオイルを止めていると話ましたが、ナックルやアイアンスポーツはヘッドとシリンダーを通るオイルラインがありませんので、オイルをシールする仕事をヘッドG/Kがしません。
ピストンが圧縮する空気は非常に高い圧力がありますので、ヘッドG/Kは特殊な構造となっていますが、圧縮だけをとめるなら金属でも良いんじゃないか?との考え方を具現化したようなG/Kといえると思います。強度的には非常に強いので、オイルラインを外に出すようなカスタムをしてある車両または、もともとオイルラインが無い車両の場合とりあえず使うことをお勧めします。
ちなみに写真はありませんが最近(3〜4年たつかな?)CometicとゆうメーカーがメタルG/Kを販売し始めました。CCIやドラッグスペシャリティーなどから購入可能(もちろんメーカーから直接販売もしています)ですが、このメーカーのヘッドG/Kは国産車などによくある薄いアルミを何枚も組み合わせた構造でした。
国産車はハーレーと違いそう圧縮が抜けないのは、この特殊なG/Kのなせる技だと思っていました。そこでCometicのG/Kを発見したのです。もちろん喜んで飛びつきました。結果は良好でしたが、EVOエンジンはヘッドとシリンダーのオイルライン部分にOリングが入る構造になっています。しかしこのCometicのG/KはこのOリングが入らないのです。アルミの潰れだけでオイルをシールする構造なのですが、しばらくすると戻りのオイルが漏れてきてしまいました。ですので今はここのヘッドG/Kをあまり使っていません。
もともとあるEVOのG/Kで困ることも無かったので、今は普通のものを使うようにしています。
最後に一番右のファイヤーリングです。ショベルとパンヘッド用が販売されています。もう何年も販売されていますし、当社でも常に在庫のある商品です。
このファイヤーリングなんといってもその特徴は燃焼室に向く所に金属のリング(写真C )が入っているところです。これが品名になっているファイヤーリングなんだろうと勝手に考えています(いや、どうなんでしょう?どうおもいます?皆様で判断してください笑)。
このリングが実は結構曲者なのです。写真D をみてください。これは61年のパンヘッドの写真です。アメリカで数年前にO/Hされて、放置されていたものです。わかりづらいかもしれませんが、燃焼室のから約1oぐらいのところが変色しているのがわかるでしょうか?これ、実は凹んでいるんです。
黒い部分がG/Kの本体なんですが、ヘッドを取り付けてトルクをかけたときにどうもこの黒いところとファイヤーリング部分の潰れる量が違うみたいなのです。G/K内で潰れる量が違えば、沢山潰れる部分(この場合は黒い部分ですね)に隙間ができます。その隙間を補うように今度はやわらかいアルミのヘッドが潰れてきたと推測できます。
もともとショベルやパンはシリンダーの上の部分が燃焼室内に飛び出す構造をしていすので(写真E )、G/Kの内側の面が直接圧縮にあたるわけではありません。このファイヤーリング、EVOなどの燃焼室の一部がG/Kの横の面になるような構造のエンジンなら効果的なんでしょうが、ショベル、パンなどでは圧縮に直接あたる部分が違うので大して意味がないのでは?と思っています。
その見た目から強力な印象をもちますが、かえってヘッドなんかを傷める、それと上記にあるように密着度が低い可能性もあるので使用には注意が必要です。
まとめ
もし、圧縮がすぐ抜ける、燃焼室内にオイルが引き抜けて煙が出る、それらの症状がなかなか直らない場合は、やっぱり面と面があっていないのです。
ヘッドも長年使っていれば歪んできます。もしオイル漏れが直らないようでしたら、シリンダーの上に乗せてみてください。よ〜く見ると隙間が開いているかもしれませんよ?
ヘッドだけではなく、G/Kはあくまでも補助として割り切って、あたり面を確認してみましょう。もしかしたら長年悩んでいたオイル漏れから開放されるかもしれません。
最後に液体ガスケットについてですが、これはもうほんとに補助中の補助です。
塗りすぎはよくいないといいますが、塗りすぎるといらない分ははみ出してしまいます。外側にはみ出す場合はふき取れば問題ないのですが、問題は中にはみ出した分です。これはふき取りようがないですので、やがてはオイルの流れに乗ってエンジン中を駆け巡ります。そうすると・・・まぁ、色々弊害が起きるのはなんとなく想像がつくと思います。
ですので、液体ガスケットの使用には十分注意してください。
ぐたぐたですいませんでした。